clear darkness

ずっと 憧れてた

でも

どんなに手を伸ばしたって

あの闇を得ることは できないんだ

あの闇になることは できないんだ

何にも染まらない 清く気高い あのイロは

いつだって ワタシの憧れだった

夢

『約束よ？』


あの日 君は自然に微笑んで言った











『時が来たら、迄度私【わたくし】を殺してね…？』

あの時 君はあまりにも穏やかで安らかな笑顔で

僕は 一瞬言葉を失って

ただ華奢な肢体【からだ】を引き寄せ


頷くのが 精一杯 だった











どうか 今此の耳が捉えた言霊が間違いであるように、と――












『優しく殺してね…』

『…ッ…』










頬にほんのり紅が差して

その、今まで見たことの無い

少女らしい君の笑顔に


僕は 情けないことに

ごめんの一言も音にできず

ただ君の肢体を掻き寄せて泣くしかなかった
















――“あの日”

結局 殺してあげることしか できなかった 僕を 赦してください


君が旅立った冷たい草原【くさはら】で視た 僕の記憶【ユメ】

question-3

「眠れない」と泣く ワタシは 幼稚ですか？

己を否定し続けるコト

“ワタシ”を“私”たらしめんがための最後の砦

“私”を護るための“ワタシ”の生け贄

“ワタシ”を戒めるための行為





―――それでも アナタ達は “私”を壊し解かそうと云うのね

εηδ【end】

死んだ東を悼んで西の彼方に消えてしまった少年

崩落した岳【やま】を見詰めたまま海を忘れた少女


総ては終局を迎えた

還る日も無ければ往く月も無い


蹲った少女は ただ啼くばかりで

少年は 戻ることなく



時の胎動が止まった