――徒然なるままに書きしものこそ、物の心や淡にあらむ…
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「『防ぐため』? それは違うわ。お互い様でしょう、“俄かに発出する言泉による言語活動”に対する精神的興奮の異常さは。」
「お、ソレ。その言葉いいんじゃないか? 今度から“問答”じゃなくて“俄かに発出する言泉による言語活動”にしよう。」
「長いから却下。」
「それじゃ短縮して“言活”。」
「話を逸らさないで。」
「確かに、俺と君は互いの衝動という名のエネルギーを放出することでソレを相殺しているね。」
「前言改変を有難う。」
「どう致しまして。」
言い終わって、それぞれ自身のカップに手を伸ばして口に運び、元の所に置く。同時に、二人はぷっと吹き出して賑やかに笑い出した。一人はふんぞり返って、一人は前屈みになって抱腹絶倒していた。
「いくらなんでも“会話”まで“間無し”にしなくたっていいでしょう? 今の場合、接続詞的一言は必要だったわ」
「なら、君だって真面目な顔して返さなくたっていいだろう?」
くすくす…と笑い合って、一息だけ深く呼吸する。
そうして彼女は窓の外へと視線を移す。
「でも…きっと“ワガママ”って言われるんでしょうね…私達が求めるものは…。」
「否定は出来ないね…。」
そして、こういう達観しているかのように振舞う人間を“思い上がり”だとか言うのだろうな―――好きでそういう人間になったわけでないのに。
彼の言葉に瞼を閉じることで彼女は応える。視界は、カラーから薄い肉越しの赤一色となる。
二人の生活は、普通に「朝慌しく仕事や学校へ行って夕方・夜に我が家へと帰る」などという暮らしをしている人々にとって、ひどく堕落した生き方かもしれない。
高校は卒業したが、その後は進学や就職をするわけでもなく、一日中部屋の中で話をしたりお茶を飲んだり本を読んだりするだけ。親の金での生活。それが申し訳なくて、偶にアルバイトをするくらい。
好きで、そんな生活をしているわけではない。
元々の二人の思考が世間と余りにかけ離れてしまっているがために、それを無理に抑えて生きると多大な負担となってしまい、前述のような現象を起こしてしまうのだ。偶に行うアルバイトも、本当は辛い。帰宅後の言語活動が半ば叫ぶような形で延々と朝まで続くことなど、ざらである。
それでも、私達は社会と決別は出来ない。
諦念を中心に据えながらも、私達以外の人間との接触を願い求めて已まない。
「人と接触しないで行える収入の得方を敢えて選ばないのは、そのため…。」
「『ヒトは一人では生きられない』。よく言ったものだね…」
「だから、『生ききれなければ死にきれもしない』生殺しの状態に在るのよね。」
「生命体としては生きているが、社会的には、死んでいる生き方、か…。」
彼女は伏し目がちにティーカップの中身を眺め、彼は温くなった珈琲を飲み下す。
そのまま五分ほどの沈黙が続いて、やがて、彼からその沈黙が破られた。
「生まれも…本来自由に決められる生き方も選べない、或いは選択肢が限られている。だけど、死に方くらいは選べるだろうか?」
「珍しくあなたから切り出されたと思ったら…。死に方を?」
「そうだ。」
君こそ前置きを取った上に語尾を上げるなんて珍しい、と彼は付け加え、更に「そう考えてしまうのは、君にとってはタブーかい?」と言った。
彼女は、コレは会話でしょうと返した上で、否と首を横に振った。
「そうね…死に方くらいは自由に選びたいわ。“殺人”は御免だけど。寿命で死にたいわ。」
「病気や事故とか?」
「事故は“殺人”の部類に入るものがあるでしょう? 限定して。」
「天災と人の関与のない事象」
「と言っても、人の干渉が根本的にない“事故”なんてないかもしれないわね。」
「ソレを言ったら、病気もそうだろう。自分の身体に起きることなんだ、その最たるものだろう?」
あら、と彼女は目を見張った。
「それじゃ、なんだか、死に方も選べそうにないわね。」
「同感。」
嗚呼、堂々巡りだ。すべては流転していくものでありながら繋がっている“輪廻”なのだ。その回り方が異なっていても、内部構造は何の変わりもなく、円輪なのだ。彼は初めて眩暈がしそうになった。
だが、彼女は言う。
「この話は当分しないようにしましょう。散々話してきて今更言うのもと思うけど、所詮十九年と少ししか生きていないんですもの、私でも…私達でも、コレに関して一概に決め付けられないわ。」
「賛同するよ。他でもない、君の意見だ。年月で定められることとは思えないけど。」
「ええ、でも、少なくとも普通の生き方には近付くでしょう?」
普通ならば誰もが行っている、“本当の疑問”を持っていく生き方に。
時間の移ろいと共に次第に解け、老いる中で答えが熟成していく――そういう生き方に。
そうすれば、見てくれだけのマンションの一室も、流れているのか止まっているのか分からない時間も、閉鎖された空間でなくなるのだと、もう一度信じられる気がする。
「“生きて”くれるでしょう? あなたの意志で。」
「―――本当に、君の母に感謝するよ。…君こそ、君の意志で“生きて”くれるんだろう?」
カップを持ち上げて、彼はそれを彼女へと向ける。彼女も彼と同じように、自分のティーカップを彼へ差し出した。
彼女は、ふっと笑った。
「その末に、お互い、いい“死に方”が出来るといいわね。」
手のカップはその行為には不似合いではあったが、新たな成約の杯がカチンと鳴った。
冷め切った珈琲とミルクティーは飲み干され、二つのカップには新たにレモンティーが淹れられる。二つの皿の上にそれぞれあったチーズケーキは跡形もない。
「今度一緒に“Carnelian”へ行きましょう。マスターがおいしいお茶とスイーツをご馳走してくれるわ。」
「マスターも仲間かい?」
「いいえ。耳順のお年齢【とし】のマスターは、“生き方”の鑑よ。ちっとやそっとじゃ動じないもの。」
「それなら“楽しみ”だ。」
“因”がなければ“果”も生じないってね。
やがてそれぞれ二つ目のチーズケーキへと手を伸ばす。
レモンティーは静かにカップの中に納まっていた。
「お、ソレ。その言葉いいんじゃないか? 今度から“問答”じゃなくて“俄かに発出する言泉による言語活動”にしよう。」
「長いから却下。」
「それじゃ短縮して“言活”。」
「話を逸らさないで。」
「確かに、俺と君は互いの衝動という名のエネルギーを放出することでソレを相殺しているね。」
「前言改変を有難う。」
「どう致しまして。」
言い終わって、それぞれ自身のカップに手を伸ばして口に運び、元の所に置く。同時に、二人はぷっと吹き出して賑やかに笑い出した。一人はふんぞり返って、一人は前屈みになって抱腹絶倒していた。
「いくらなんでも“会話”まで“間無し”にしなくたっていいでしょう? 今の場合、接続詞的一言は必要だったわ」
「なら、君だって真面目な顔して返さなくたっていいだろう?」
くすくす…と笑い合って、一息だけ深く呼吸する。
そうして彼女は窓の外へと視線を移す。
「でも…きっと“ワガママ”って言われるんでしょうね…私達が求めるものは…。」
「否定は出来ないね…。」
そして、こういう達観しているかのように振舞う人間を“思い上がり”だとか言うのだろうな―――好きでそういう人間になったわけでないのに。
彼の言葉に瞼を閉じることで彼女は応える。視界は、カラーから薄い肉越しの赤一色となる。
二人の生活は、普通に「朝慌しく仕事や学校へ行って夕方・夜に我が家へと帰る」などという暮らしをしている人々にとって、ひどく堕落した生き方かもしれない。
高校は卒業したが、その後は進学や就職をするわけでもなく、一日中部屋の中で話をしたりお茶を飲んだり本を読んだりするだけ。親の金での生活。それが申し訳なくて、偶にアルバイトをするくらい。
好きで、そんな生活をしているわけではない。
元々の二人の思考が世間と余りにかけ離れてしまっているがために、それを無理に抑えて生きると多大な負担となってしまい、前述のような現象を起こしてしまうのだ。偶に行うアルバイトも、本当は辛い。帰宅後の言語活動が半ば叫ぶような形で延々と朝まで続くことなど、ざらである。
それでも、私達は社会と決別は出来ない。
諦念を中心に据えながらも、私達以外の人間との接触を願い求めて已まない。
「人と接触しないで行える収入の得方を敢えて選ばないのは、そのため…。」
「『ヒトは一人では生きられない』。よく言ったものだね…」
「だから、『生ききれなければ死にきれもしない』生殺しの状態に在るのよね。」
「生命体としては生きているが、社会的には、死んでいる生き方、か…。」
彼女は伏し目がちにティーカップの中身を眺め、彼は温くなった珈琲を飲み下す。
そのまま五分ほどの沈黙が続いて、やがて、彼からその沈黙が破られた。
「生まれも…本来自由に決められる生き方も選べない、或いは選択肢が限られている。だけど、死に方くらいは選べるだろうか?」
「珍しくあなたから切り出されたと思ったら…。死に方を?」
「そうだ。」
君こそ前置きを取った上に語尾を上げるなんて珍しい、と彼は付け加え、更に「そう考えてしまうのは、君にとってはタブーかい?」と言った。
彼女は、コレは会話でしょうと返した上で、否と首を横に振った。
「そうね…死に方くらいは自由に選びたいわ。“殺人”は御免だけど。寿命で死にたいわ。」
「病気や事故とか?」
「事故は“殺人”の部類に入るものがあるでしょう? 限定して。」
「天災と人の関与のない事象」
「と言っても、人の干渉が根本的にない“事故”なんてないかもしれないわね。」
「ソレを言ったら、病気もそうだろう。自分の身体に起きることなんだ、その最たるものだろう?」
あら、と彼女は目を見張った。
「それじゃ、なんだか、死に方も選べそうにないわね。」
「同感。」
嗚呼、堂々巡りだ。すべては流転していくものでありながら繋がっている“輪廻”なのだ。その回り方が異なっていても、内部構造は何の変わりもなく、円輪なのだ。彼は初めて眩暈がしそうになった。
だが、彼女は言う。
「この話は当分しないようにしましょう。散々話してきて今更言うのもと思うけど、所詮十九年と少ししか生きていないんですもの、私でも…私達でも、コレに関して一概に決め付けられないわ。」
「賛同するよ。他でもない、君の意見だ。年月で定められることとは思えないけど。」
「ええ、でも、少なくとも普通の生き方には近付くでしょう?」
普通ならば誰もが行っている、“本当の疑問”を持っていく生き方に。
時間の移ろいと共に次第に解け、老いる中で答えが熟成していく――そういう生き方に。
そうすれば、見てくれだけのマンションの一室も、流れているのか止まっているのか分からない時間も、閉鎖された空間でなくなるのだと、もう一度信じられる気がする。
「“生きて”くれるでしょう? あなたの意志で。」
「―――本当に、君の母に感謝するよ。…君こそ、君の意志で“生きて”くれるんだろう?」
カップを持ち上げて、彼はそれを彼女へと向ける。彼女も彼と同じように、自分のティーカップを彼へ差し出した。
彼女は、ふっと笑った。
「その末に、お互い、いい“死に方”が出来るといいわね。」
手のカップはその行為には不似合いではあったが、新たな成約の杯がカチンと鳴った。
冷め切った珈琲とミルクティーは飲み干され、二つのカップには新たにレモンティーが淹れられる。二つの皿の上にそれぞれあったチーズケーキは跡形もない。
「今度一緒に“Carnelian”へ行きましょう。マスターがおいしいお茶とスイーツをご馳走してくれるわ。」
「マスターも仲間かい?」
「いいえ。耳順のお年齢【とし】のマスターは、“生き方”の鑑よ。ちっとやそっとじゃ動じないもの。」
「それなら“楽しみ”だ。」
“因”がなければ“果”も生じないってね。
やがてそれぞれ二つ目のチーズケーキへと手を伸ばす。
レモンティーは静かにカップの中に納まっていた。
fin.
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♥ 後書きへ
「『死』を恐れない人間の増殖が目に余るね。『他者の死に土足で関わることのリスク』を省みなかったり、『死ぬことで救われる』という考えが過ぎたカタチで蔓延しているように思う。」
「私の主観的思考から言えば、どちらも単なる“現実逃避”と相違はないわ。」
「客観的思考からは?」
「“他殺”と“自殺”。纏めて“殺人”。それ以上でもそれ以下でもない。」
事情がどうであろうとそれだけだ、と少しも表情を変えずに述べた彼女の言葉に対し、そりゃそうだと彼は笑う。一方で彼は、彼女から「主観」という言葉が出たことからこの議題の終幕を知る。
案の定、彼女は溜め息混じりに言った。
「少し疲れたわ…」
「お茶の続きに切り替えるかい?」
「そうね。“会話”に切り替えましょう。」
彼女はミルクティーに変わったカップの中身をティースプーンでくるくると混ぜた。
切り替えの時は、この一連の言行が二人の間でしばしば行われている。二人の言うところの“会話”とは、真義の究明的確認などを考えずに唯只管に自己の思想を述べるだけのもので、これまで行ってきたのは差し詰め“問答”といったところだが、辞書通りの意味でないのは自明だ。二人もこの“問答”という表現に関してはしっくりきていない。“承認”という言い方もなくはないが、それもニュアンスが少し異なっているように思われる。
そして、この“問答”、非常に「疲れ」るのだ。無論脳や身体の肉体的疲労ではない。どちらかといえば精神的疲労…否、そもそも、疲労と称すのも適当ではない。言ってしまえば、そう「怠惰」なのだ。もっと言えば「うんざり」なのだ。
何の変哲も無い高級マンションの一室で繰り返される“問答”―――当然のことながら、繰り返したところで「セカイ」に影響を与えるわけでもない。ただ自己の内から湧き出る衝動を収めるためだけにある、対象物(者)によって意義の有無が変わるあやふやな言語活動に過ぎない。
「―――意義を求めたところで、所詮は人間の“知る慾”への執念によるものに変わりないわね…」
「虚しそうだね。」
「ええ…とっても。でも、“コレ”をせずにはいられない…人間なんだもの…しなければしないで、逆にストレスが溜まってしまう。そして、何より、もっと惨めな思いになる。」
唐突に勃興する考えをそのまま口にして、理解を得られたことは殆ど皆無だ。大体が「は?」と前触れなき突然の言葉に対する少々の驚きか「そういうものなんだー」と感心とも受け流しともつかない言葉が返ってくるだけだった―――それは、彼女がそういう類のものを聞くとそこではぐらかしてしまうのも要因ではあるのだが。自己の考えをなんの“間”も持たずにすぐに返してくる人は本当に少ない。結果、自他共に気まずい雰囲気や心痛を感じてしまうことの方が多かった。
他人【ひと】の反応が普通であるのは分かっているつもりだが、納得までには至らなかった。そこで、彼女は周囲との会話を“必要最低限”に止めることにした。脳の活動が微々たる活性を示すだけでも、より衝動が起こりやすくなるのを決して多くない経験から知っていた。そしてその鍵刺激となるのが「会話」であることも。ならば受け答え以外の会話をしなければ問題ないはずだと思ったのだ。しかしそれはやがて表面に現れる感情を欠落させることになった。両親がそれに気付いて蒼褪めていたのを傍観していた自分を、彼女は今でも覚えている。
「それを防ぐために、俺は君の両親―――特に君の母を介して君に雇われた。」
彼女の両親はどちらも心理関係の学を修め、父親の方は実業家となり母親の方はカウンセラーの職に就いて今も心理への追及を行っている。
彼もまた、他より少々達観した人物で、遊び仲間はいても決して自らの本来の思考回路で話すことはなかった。話しても「何を言っているんだ?」という見世物小屋を覗き込んでいく輩のような眼で見てきたり、求めていない質問攻めを喰らって面倒なことになったことがあったので、年相応だと思われる思考回路を別に構築して接していた。その方が無難だった。
しかし、別設置された思考回路が動く裏側で、表側に出ることなくエネルギーを殺されて静かに稼動していた、本来のソレが思わぬ形で爆発した。
彼は、場所【ところ】構わず、意味を持った文字の羅列を書き出したのだ。紙類は勿論、机、壁、ガラス窓、床、クローゼットの扉、ベッド、…、果ては浴室やトイレなどなど、本当に場所構わずに、脳内に浮かぶ言葉を現出した瞬間に書き留めていったのだ。今まで押さえつけられていた分のその反動であるかのように…否、間違いなくその反動だった。
母親からは悲鳴の落雷、父親からは縛と時に拳の風雨―――やがて、カウンセラーをしている彼女の母の元へと連れて行かれた。
「私の主観的思考から言えば、どちらも単なる“現実逃避”と相違はないわ。」
「客観的思考からは?」
「“他殺”と“自殺”。纏めて“殺人”。それ以上でもそれ以下でもない。」
事情がどうであろうとそれだけだ、と少しも表情を変えずに述べた彼女の言葉に対し、そりゃそうだと彼は笑う。一方で彼は、彼女から「主観」という言葉が出たことからこの議題の終幕を知る。
案の定、彼女は溜め息混じりに言った。
「少し疲れたわ…」
「お茶の続きに切り替えるかい?」
「そうね。“会話”に切り替えましょう。」
彼女はミルクティーに変わったカップの中身をティースプーンでくるくると混ぜた。
切り替えの時は、この一連の言行が二人の間でしばしば行われている。二人の言うところの“会話”とは、真義の究明的確認などを考えずに唯只管に自己の思想を述べるだけのもので、これまで行ってきたのは差し詰め“問答”といったところだが、辞書通りの意味でないのは自明だ。二人もこの“問答”という表現に関してはしっくりきていない。“承認”という言い方もなくはないが、それもニュアンスが少し異なっているように思われる。
そして、この“問答”、非常に「疲れ」るのだ。無論脳や身体の肉体的疲労ではない。どちらかといえば精神的疲労…否、そもそも、疲労と称すのも適当ではない。言ってしまえば、そう「怠惰」なのだ。もっと言えば「うんざり」なのだ。
何の変哲も無い高級マンションの一室で繰り返される“問答”―――当然のことながら、繰り返したところで「セカイ」に影響を与えるわけでもない。ただ自己の内から湧き出る衝動を収めるためだけにある、対象物(者)によって意義の有無が変わるあやふやな言語活動に過ぎない。
「―――意義を求めたところで、所詮は人間の“知る慾”への執念によるものに変わりないわね…」
「虚しそうだね。」
「ええ…とっても。でも、“コレ”をせずにはいられない…人間なんだもの…しなければしないで、逆にストレスが溜まってしまう。そして、何より、もっと惨めな思いになる。」
唐突に勃興する考えをそのまま口にして、理解を得られたことは殆ど皆無だ。大体が「は?」と前触れなき突然の言葉に対する少々の驚きか「そういうものなんだー」と感心とも受け流しともつかない言葉が返ってくるだけだった―――それは、彼女がそういう類のものを聞くとそこではぐらかしてしまうのも要因ではあるのだが。自己の考えをなんの“間”も持たずにすぐに返してくる人は本当に少ない。結果、自他共に気まずい雰囲気や心痛を感じてしまうことの方が多かった。
他人【ひと】の反応が普通であるのは分かっているつもりだが、納得までには至らなかった。そこで、彼女は周囲との会話を“必要最低限”に止めることにした。脳の活動が微々たる活性を示すだけでも、より衝動が起こりやすくなるのを決して多くない経験から知っていた。そしてその鍵刺激となるのが「会話」であることも。ならば受け答え以外の会話をしなければ問題ないはずだと思ったのだ。しかしそれはやがて表面に現れる感情を欠落させることになった。両親がそれに気付いて蒼褪めていたのを傍観していた自分を、彼女は今でも覚えている。
「それを防ぐために、俺は君の両親―――特に君の母を介して君に雇われた。」
彼女の両親はどちらも心理関係の学を修め、父親の方は実業家となり母親の方はカウンセラーの職に就いて今も心理への追及を行っている。
彼もまた、他より少々達観した人物で、遊び仲間はいても決して自らの本来の思考回路で話すことはなかった。話しても「何を言っているんだ?」という見世物小屋を覗き込んでいく輩のような眼で見てきたり、求めていない質問攻めを喰らって面倒なことになったことがあったので、年相応だと思われる思考回路を別に構築して接していた。その方が無難だった。
しかし、別設置された思考回路が動く裏側で、表側に出ることなくエネルギーを殺されて静かに稼動していた、本来のソレが思わぬ形で爆発した。
彼は、場所【ところ】構わず、意味を持った文字の羅列を書き出したのだ。紙類は勿論、机、壁、ガラス窓、床、クローゼットの扉、ベッド、…、果ては浴室やトイレなどなど、本当に場所構わずに、脳内に浮かぶ言葉を現出した瞬間に書き留めていったのだ。今まで押さえつけられていた分のその反動であるかのように…否、間違いなくその反動だった。
母親からは悲鳴の落雷、父親からは縛と時に拳の風雨―――やがて、カウンセラーをしている彼女の母の元へと連れて行かれた。
To be continued...
友人の捺さんに誘われて飼い始めたフリーエリアの電子生物・メロ。我が家で買っているこの青いのは“kou”という名を付けたのですが、―――飼い始めた時期もあって、みょうちくりんな言葉しか操っておりません。「ボーダーライン…」とか「だいがくいる?」とかやたら入試関係の言語を用いたり、「今日はおそらく」とか「どうやら現実!」「おわる?」とか……一部滅茶苦茶気に障るのですが。
自分の書いた文から言葉を覚えるので仕方ないといえば仕方ない。
そしてコイツ、ホームだと無駄に喋る。クリック2回に1回は何かしら言います。…他の皆さんもそうなのだろうか?
コレを飼うことで、かつてない程このブログを更新するようになった(でもブログに移行したのは半年前かそこらだから、この表現は大袈裟だなぁ)のもまた事実なので、そう悪くは言えませんが。
変な言葉覚えないように注意しなくてはなぁ…(本気悩
―――とは言っても、絶対注意しない小生。そんなことを律儀に一々気にしていたら“戯書き”を書けなくなる。なんてったって、死語から造語まで品揃えが宜しきこと(そうなる予定)。自分、死語の復活と造語の浸透を野望にしていたりしますから。無謀もいいところですね~ハハ(乾笑)
だから、 『広辞苑』と『日葡辞書』 が欲しい。
前者は半端なく語数が多くて埋もれている語も多いですし、後者は戦国時代の日本語が分かる(と聞いた)ので、正に死語満載v
人間観察と言葉の発掘ほど面白いものはございません。(陰気だぁ…
いや、本当に。
「観」察ばかりやっているから、「聴」く能力が退化するんですけどね。時々日本人なのに、“音”としての日本語が分からなくなります。「ネイティブ・ジャパニーズでそれは流石にヤバイ」とようやく最近思うようになったばかりだったり。
あ。また脱線している。 ということで今日はコレまで。では。
自分の書いた文から言葉を覚えるので仕方ないといえば仕方ない。
そしてコイツ、ホームだと無駄に喋る。クリック2回に1回は何かしら言います。…他の皆さんもそうなのだろうか?
コレを飼うことで、かつてない程このブログを更新するようになった(でもブログに移行したのは半年前かそこらだから、この表現は大袈裟だなぁ)のもまた事実なので、そう悪くは言えませんが。
変な言葉覚えないように注意しなくてはなぁ…(本気悩
―――とは言っても、絶対注意しない小生。そんなことを律儀に一々気にしていたら“戯書き”を書けなくなる。なんてったって、死語から造語まで品揃えが宜しきこと(そうなる予定)。自分、死語の復活と造語の浸透を野望にしていたりしますから。無謀もいいところですね~ハハ(乾笑)
だから、 『広辞苑』と『日葡辞書』 が欲しい。
前者は半端なく語数が多くて埋もれている語も多いですし、後者は戦国時代の日本語が分かる(と聞いた)ので、正に死語満載v
人間観察と言葉の発掘ほど面白いものはございません。(陰気だぁ…
いや、本当に。
「観」察ばかりやっているから、「聴」く能力が退化するんですけどね。時々日本人なのに、“音”としての日本語が分からなくなります。「ネイティブ・ジャパニーズでそれは流石にヤバイ」とようやく最近思うようになったばかりだったり。
あ。また脱線している。 ということで今日はコレまで。では。
土曜日、今日と面接の指導を受けてきました。中学3年以来でしたので、作法などうろ覚えだったのですが…案の定、ボロボロ。
「異様に挙動不審」「キョドってる②」と言われてしまいました。
そんなこと言ったって、ねえ~?(誰に同意を求めてるんだ?)
面と向かって改まって話をするのはどうも…。
そもそも、言葉を音にするのが苦手で自分の伝えたいことをうまく伝えられないためにストレスが溜まって鬱状態になるから、文章書いているわけで―――ああ、そんなこと言っても入試は入試だから言っても詮無いですね。うん。
なんとか克服しましょう。人生、好きなこと・楽なことばっかりでもつまらないですしね。
2月一発目の入試が来週の日曜日にと迫っていることですし…やべっ。ヘタしたら面接より学力試験の方が危ない気が…今更ながら筆記だなんて!
―――ザ・正念場。(笑えねぇ…
えぇい、畜生めぃ!! この際ヤケだ、やってやるぜ!
と、最近口の悪いことを気にしつつ、終わります。
「異様に挙動不審」「キョドってる②」と言われてしまいました。
そんなこと言ったって、ねえ~?(誰に同意を求めてるんだ?)
面と向かって改まって話をするのはどうも…。
そもそも、言葉を音にするのが苦手で自分の伝えたいことをうまく伝えられないためにストレスが溜まって鬱状態になるから、文章書いているわけで―――ああ、そんなこと言っても入試は入試だから言っても詮無いですね。うん。
なんとか克服しましょう。人生、好きなこと・楽なことばっかりでもつまらないですしね。
2月一発目の入試が来週の日曜日にと迫っていることですし…やべっ。ヘタしたら面接より学力試験の方が危ない気が…今更ながら筆記だなんて!
―――ザ・正念場。(笑えねぇ…
えぇい、畜生めぃ!! この際ヤケだ、やってやるぜ!
と、最近口の悪いことを気にしつつ、終わります。
…突然ですが。
データ、消えました。
…といいますか、知らないうちに消失していました…。
何のデータかっていうと―――
数年間加筆修正しながら熟成させてきてワタシの中では最も心血を注いでいた膨大な量の駄文のデータが、ですよ――――――!!!!!
残っているのは古いデータのみ…………………。
……なんでだーなんでだーなんでーなんでーなんd (エンドレス
そんなことがある筈がない…。あっていい筈がないぃィッ!
……ああああああああああ!!!!!!!!
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
本っ当にごめんなさい!!!
申し訳なさ過ぎて、これ以上具体的に何のデータかだなんて言えませんっ!
許してくださいっ、待たせてばかりでこれ以上「待ってください」だなんて言えた身ではございませんが、大事な部分と終わり方は頭の中に永久保存してありますから、一生懸命思い出して書き直しますから、どうか許してくださいっ。
…暫く立ち直れそうにありません…が、なんとしてでも最後まで書き上げますので、どうか、どうか見捨てないでください!!
本当に、申し訳ないです…。
データ、消えました。
…といいますか、知らないうちに消失していました…。
何のデータかっていうと―――
数年間加筆修正しながら熟成させてきてワタシの中では最も心血を注いでいた膨大な量の駄文のデータが、ですよ――――――!!!!!
残っているのは古いデータのみ…………………。
……なんでだーなんでだーなんでーなんでーなんd (エンドレス
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……ああああああああああ!!!!!!!!
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
本っ当にごめんなさい!!!
申し訳なさ過ぎて、これ以上具体的に何のデータかだなんて言えませんっ!
許してくださいっ、待たせてばかりでこれ以上「待ってください」だなんて言えた身ではございませんが、大事な部分と終わり方は頭の中に永久保存してありますから、一生懸命思い出して書き直しますから、どうか許してくださいっ。
…暫く立ち直れそうにありません…が、なんとしてでも最後まで書き上げますので、どうか、どうか見捨てないでください!!
本当に、申し訳ないです…。