扉

鍵を開けようとしないで

抉【こ】じ開けようとしないで

すぐに壊れてしまうわ

アナタは修復できるの？

責任を取れるの？


扉の向こう側を

恐れず 受けとめられるの？

懇願

ほんの一時【いっとき】でいいの

肩を、貸して

泣かせてください

安らかに 眠らせてください


セカイから 逃避させてください

雨空

小雨

糸雨

土砂降り

大雨

小糠雨

霧雨

気違い雨

細雨

定まらぬ雨模様

泣き雨【さめ】を止める術は 陽光の彼方

幸【さきわ】い望む 青に 願いて

薄く褪せゆく 幻之影

思い寝 醒め

キリキリと張り詰めた 弦は

雨に濡れ

限りを迎えつつ

じっと 冷たさに耐えて

模様定まらぬ雨空を見上げていた

核外物質

酵素は敢えて無い

分解は不可能

一度外部へ出したモノを 簡単に 還らす訳にはいかないんだ

たとえ

その中に

新たな物質産生に 不可欠な要素が混ざってたって

有っても無くても 有害 だと識【し】ってても


簡単に 再び 核内物質に戻す訳にはいかないんだ

雪罪を願う

救われるのだと思った

生まれながらに 罪と背徳を負った 自分でも

真っ直ぐで純真な 君の眼差しが この宿罪すらも 洗い清めてくれるのだ、と

信じて疑わなかった







それが間違いだと気付いたのは この宿罪が君にまで感染【うつ】ってしまった後

取り返しのつかない 新たな 僕の罪状